2013年10月28日月曜日

読書の秋


……とは言いましても、なかなか目が言うことを聞いてくれません。ちょっと字が小さいと、何倍も疲れますし、横になって読む本は、文庫本に限りますし……。

でも、書いた方の努力を思いますと、読むくらいのことは、簡単なことのはず。……という思いで、なるべくたくさん読んでみたいと思うのです。

読書は、決していやいやするものではありませんから、読みたくて読んでいるのですから読めないことはないはず。焦る必要なんかちっともないので、時間をかけて読んでいます。

もう、私などは、読みたい本しか読みませんので、読書を楽しむ、というのが本心です。以前は、「こんな本は、読んでおかなくっちゃ」「芥川賞は読んでおかなくては」なんて思った時代もありましたが、そんなことは、まったく意に解さなくなりました。
最近は特に、読んでみようか、と思って読みかけても、もう受け付けない、ということもあります。

はっきり申しますと、【面白い・こんなこと知りたい】と思う本を読みます。私の面白いと思う本は、随筆が多いのですが、それは、書いた方の生き方や考え方や、文章の巧さなどなど、とても面白いものです。

しかも、私がこの年になっても、知らないことがたくさんあるものですから、色々なことを知って、驚いたり、感心したりしています。例えば、ある本にこんなことが書いてありました。その方は、【置き忘れた時に目立つように、手帳はいつも派手な色のものを買う】そうです。なるほどなあと感心。私のよく忘れる傘も、派手なのがいいかもしれません。

こんな以外なことも知りました。A級戦犯で処刑された東條英機が、夫人に残した句 *ただ一羽渡る雁あり胸痛む  などに接しますと、ほろりとします。この方の公式の辞世は、*我ゆくもまたこの土地にかへり来ん国に酬ゆることの足らねば という歌だそうです。その違いもわかり、何となく心境が見えてきます。

このように、短い随筆を読んでいても、知らなかった事、考えさせられることがあって、面白いものです。

灯火親しむ秋の夜長。いえ、私のような年になりますと、昼でも朝からでも……。この特権、贅沢な時間。積読だけじゃなくしっかり読みたいものです。

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