2013年10月13日日曜日

一日一生


何日か前(10月7日)、千日回峰行を二回もなさった酒井雄哉さんのことを書きましたが、この方の本の中に、こんなことが書いてあります。

【「一日一生」】一日を中心に、一日が一生と思って生きる。と。

修行をした仏様のような方のおっしゃることが、私のような凡人に出来るわけはないのですが、なるほどと思うのです。

行にはいると、毎朝新しい草履を履いて出て行く。そして帰ってくると、草履がボロボロになっている。翌日はまた新しい草履を履いて出掛ける。そんな毎日を繰り返していると、自分が草履に見えてきてね。一日が終わると、また生まれ変わってくる。【動】の世界と【静】の世界で、草鞋を脱いで、お経をあげたり反省したり、横になる静の世界があってまた新しく蘇る。一日が一生のようなものだから、今日失敗したってへなへなすることはない。落ち込むことも無い。明日はまた新しい人生が生まれてくるじゃないか。それには、今日を大切にしなければ、明日はありませんよ、ということでもある。今、自分がやっていることを、一生懸命、大切に、忠実にやることが、一番いいんじゃないのかな。ただそれをくりかえすだけなんだよ。

人より抜きん出ようとか、よく思われようとかすると、あせってしまう。身にあったことをしているのが一番いい。私は知識も学問もないから、ただ歩くことでいろいろなことを学ぶことができたと思っているよ。

と、酒井氏は、淡々とおっしゃっています。

悔いのない人生をと、私たちは思いますが、まずは、悔いのない一日を積み重ねていくことなんですよね。

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