2013年10月25日金曜日

♪ウスクダラ


つけたTVから、この歌、ウスクダラが流れました。江利チエミさんが歌っていた歌で、紅白でも歌われた歌ということなのですが、記憶にないのは当然。調べてみますと、昭和29年発売とありました。私が結婚した年です。そのころは、テレビもなく、ラジオを聞く暇もないような、貧乏暇なしの教員生活をしていた時代です。どんな歌が流行っているか、など知るよしもありませんでした。何しろ水道もガスも電気釜もない田舎での、大変な生活時代でした。そうそう、台所は、時代劇に出てくるような、場面を想像してみてください。(笑)

お風呂を沸かすにも、井戸に紐のついたバケツをぶら下げて、よいしょよいしょと汲みげて二つのバケツに入れ、両手にバケツを下げて、30歩ほど離れた風呂まで運び入れ、焚口の前にしゃがみこんで麦わらをくべながら、沸かすのです。

当時の田舎はそれが当たり前なのです。お隣さんも、そうした生活です。

横道にそれました。なぜ、ウスクダラが出てきたかと言うと、ウスクダラはトルコのイスタンブールにある町ですが、ここで進められているプロジェクトについてです。 

どんなプロジェクトかといいますと、海底トンネルです。イスタンブールは人口1380万人の大都市で、最近日本人にも人気の観光地です。
2020年のオリンピック開催に立候補し東京と争いました。そのイスタンブールのウスクダラから、シルゲジまで、アジアとヨーロッパを隔てているボスポラス海峡の海底に鉄道を通すプロジェクトだそうですから、大変な事業でした。

西側がヨーロッパ、東がアジアです。ボスポラス海峡によって隔てられている2つの大陸をトンネルでつなごうというのは150年来の夢でした。

この2つの大陸の間には現在自動車専用の2つの橋がかかっていますが、アジア側の開発が進み人口が急増して、交通渋滞が慢性化し大気汚染も深刻です。ウスクダルからシルケジまで、車だと40分、混んでいれば1時間以上、フェリーでも30分かかるのが列車だと4分に短縮されます。その海底トンネルが、着工から10年がかりで開通にこぎつけました。

技術的にも予算的にも実現が難しかったのですが、それが構想から150年あまりたって日本の協力でようやく実現したということです。

トンネルの長さは1387メートルで、世界の海底トンネルと比べて決して長くはありませんが、たいへんな難工事だったようです。

工事を担当した日本の大手建設会社によって数々の最新技術が使われました。日本はやはりたいした国です。

総事業費は3900億円で、その4割に当たる1500億円が円借款でまかなわれ、日本の借款としては過去最大級の大事業だそうです。

トンネルは、海底部分は「沈埋函」と呼ばれるコンクリートブロックを海底に沈めて繋いでいく工法がとられました。沈埋トンネルだと、工事の期間も短く費用もおさえられるので。ただ、簡単な工事ではなかったことは、想像できます。
何しろ凄く重たいものを海に沈めそれを幾つも繋ぐのですから。日本の技術なればこそ出来たことで、世界に誇れるものでしょうね。

来週29日がトルコの建国記念日で、この日にあわせて、海底トンネルの開通式が、安倍総理大臣と、エルドアン首相の出席のもと盛大に催されます。バンザーイ日本。

0 件のコメント:

コメントを投稿