2013年10月7日月曜日

荒行


新聞を見ていて知ったのだが、酒井雄哉さんというお坊様が、先月87歳で亡くなったという。

何十年か前、この方が、比叡山の延暦寺に伝わる荒行「千日回峰行」というのをなさっている映像を興味深く見せて頂いたのを記憶している。人間が、こんなことができるのかと、感心というよりは、感動したのだ。

この行は、7年間の間に1000日かけて、比叡山の峰々や、京都市中、四万キロを歩いて巡拝する。夜中の1時半に出て、朝の7時半頃に帰ってくる。白装束に草鞋、提灯を手に山道をひたすら歩くのだ。

それだけではない。行の最後には、9日間もお堂に籠って、不眠、断食で、不動明王の真言を10満回唱えるのだ。
こんな荒行を57歳の時と60歳の時と2回も達成された方だ。

両脇を支えられて、お堂を出てこられたときは、ほんとうに生き仏様というか、お堂のまわりで跪いて出てこられるのを待っていた方々は、涙を流しながら、彼を拝んでいたし、TVをみていた私も、つい手を合わせていたのだ。

この方は、特攻隊員で終戦を迎え、その後、色々な苦労をして39歳のときに得度されている。自然体の生涯を送られたという。この方の書かれた著書もあるので、ぜひ、手にしたいと思う。

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