2012年10月18日木曜日

生前検査


昨日、テレビで、産まれる前の赤ちゃんの障害の有無を調べる検査について、放映されていました。最後までみていないので、よくはわからなかったのですが、長い間障害児と関わってきた者なので、複雑な思いで見ていました。

重度の障害児を抱えた母親からは、何度となく、この子を連れて死のうと思った、ということを聞かされました。ま、現代のように、障害者に対する理解がなかった時代だったのも事実です。

健常児の子育てでさえ、満足に育てられない親が増えていますので、そんな親が障害児を育てていけるのかと、いう思いもあります。

子を殴り殺すような親には、子どもを産む資格はないのですが、真面目な親が、子育てに疲れて、ノイローゼになることだってあるでしょう。

また、一方では、「障害を持って生まれてきたこの子は、私たち夫婦でなければ、幸せになれないと、神様が私たちに授けてくださった。この子のおかげで、私達夫婦は、生き甲斐を与えてもらっているし、夫婦の絆も、より固くむすばれている」とおっしゃる親ごさんもおられます。

子どもの立場はどうでしょう。ある目の不自由な子は、こんなことを言いました。「ぼくがお母ちゃんに、『こんな悪い目で産まれたけど、死なずに産まれてきてよかった』って言ったら、お母ちゃんって、おんおん泣くんでよ、先生」と。

それを聞いて私もその子を抱きしめて泣いてしまいました。「先生も、○ちゃんが死なずに産まれてきて嬉しいよ」と言いながら……。

母親は、いつも「こんな不自由な子に産んですまない」と思っていたにちがいありません。また時には、「この子さえいなかったら」と思ったこともあったかもしれません。その子が、産んでくれてよかったというのですから、泣けて当然だったと思います。

産まれてこない方がよかった子もおります。苦労だけして死んでいく子もおります。親がよく考えて判断することでしょう。その判断は、どちらになっても、正しいと思うものです。産む産まないは、他人がとやかくいうことはないと思います。

 

4 件のコメント:

  1. 複雑な問題ですね。障碍の程度や種類にもよると思うのですが、重度だと、私なら産む勇気はなかった、と思います。

    神のみぞ知る、の昔なら、どうすることも出来ず、産まれてしまえば一生懸命に育てるしかなかったのですが、生まれる前に知ってしまえば・・・余程覚悟のある人じゃないと無理かもしれませんね。

    それを非難するなら何のために生前診断があるのでしょう。

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    1. 戦後、命を大切にということで、いろいろと言われてきましたが、戦後のしばらくは、生きていくために必死になっていた人たちは、子どもが出来ても産まなかった人たちは、たくさんおりました。そういうときも、人工中絶を誰も責めることはできませんでしたね。

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  2. これは、難しい問題ですね。生前診断は、出産なさる当人にしか分からない気持ちだと思います。賛否両論と言われる人もおられます
    できるだけ、高齢出産は避けるようにして、結婚を、早くするようにすることです
    障害者のできる率が少ないそうです。そうは言っても、こればかりは神のみぞ知るですが・・・やはり生前診断が必要になりますかね

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    1. 結婚を早くしてほしいですね。40歳を過ぎての出産は、帝王切開がほとんどなんでしょうねえ。
      あの普通分娩の体力は?と思いますが……。

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