パソコンを使いだしてかれこれ20年近くになるだろうか。おかげで、漢字が書けなくなった。手紙や手書き文章を書きはじめると、すぐに漢字が思い出せないという情けないことが始まる。すぐに電子辞書で引いて「あ、そうか」と思い出すのだが、大抵、「こんな字まで忘れたか」と、自分ながら情けなくなってくるのがお決まりだ。
書けないのは、パソコンだけの責任ではないのか、パソコンとご縁のない方も、忘れてしまったと、嘆いていらっしゃる。トシには勝てないのか……。
読むほうは、何とか読めている……と、思っていたが、最近は、それも怪しくなってきた。めったに使ったことのない2字ことばの漢字などは、読めないものもあり、上の字を訓で読み、下の字を音で読んでみたりして、「そんなことば、あったかなあ」なんて首をひねったりしている。
音・訓で思い出したが、最近こんな言葉もあまり聞いたことが無いので、若い人たちは知らないかもしれない。重箱読みと、湯桶読みだ。見てのとおり、重箱読みとは、上の字を音読み、下の字を訓読みに読むことばである。反対に、湯桶読みとは、上を訓読みに、下を音読み即ち、ゆとうと読むことなのだ。普通なら、ゆおけとなるのだが。
そもそも、ゆとうなどと言っても、何のことか分からない人も多いだろう。重箱は、よく使われている言葉だが、湯桶は、もう死語だろう。ただ、ゆおけと読むと、お風呂屋の桶を想像する。
湯桶と言うのは、そそぎ口と、取っ手があって、大抵漆塗りで、蕎麦屋で蕎麦湯を入れて出す入れ物である。漢字の読み方の表し方に、重箱と、湯桶といったような食事に関した二つの言葉で表していることが面白いと思った。こんなことを教えて頂いた方は、漢字に詳しい国語の先生だったが、もう亡くなられて久しい。
ふと思い出したので、忘れないうちに書いておくことにした。(^^)
勉強になりました。重箱読みは聞きかじっておりましたが、湯桶は知りませんでした。
返信削除今から勉強しても遅いですが、知っていて損はないですから、良かったと、ごまめさんの博識に感謝です~。
近頃というか、ある時期からは、重箱読みも湯桶読みも、ひっくるめて、重箱読みと、いっているので、知らない方も、大勢おられるのでしょうね。
削除