2013年11月26日火曜日

観劇

昨日の夜、【ヘルパーズ!】という音楽劇を観てきた。老人問題について、何かと書かなければならないこともあるので、参考のために観たいと思って出かけた。

唯一顔見知りの役者・中尾ミエさんが、劇中では芸能界で長年活躍していた大物タレント、矢沢まり子の役で出ている。
偶然出会った車椅子の少年との関わりの中で、介護ヘルパーでなければ、施設に入っている人の車椅子には触れられないことを知る。そして【スターは、福祉活動をやらねばならない宿命だ】ということばに刺激されて、介護のことを学ぶ決心をし、資格をとるため学校へ行く。そこでは、障害者と健常者・大人と子ども、そして高齢者等、その関係の中での、介護師やヘルパーの仕事の在り方、矛盾などが、授業として展開されていく。

ヘルパーさんは、国からの給料で働いているので、決められたことしかできない、というのは、何ともおかしな話で、そういった不満も演じられていた。
例えば、窓ガラスの掃除は、内側は拭いてもよいが、外側のガラスは、拭けないのだ。外側は、家の外になるからだろう。また、寝ている人に頼まれて、切れた電球を買いに行っても、それを取り替えてあげるのは出来ないのだ。おかしな塩梅だ。買い物という介護では、余分な仕事をしてはならないのだ。それをしてあげても、してあげなくても苦情が寄せられるらしい。「あの人はしてくれたのに」と、規則を守った人は悪く言われ、気引くを守らず、電球を取り付けてあげた人は、仲間から悪く言われるのだ。

こんな決まりは、お役人が決めたのか? そんな決まりは取っ払って、決められた1時間なり、2時間の間は、病人や介護を受ける人達が、本当にしてほしいことをしてあげるべきだと……。当然である。

介護の学校に通う生徒たちは、将来は介護される身であることを感じつつ、学ぶようになるのだが、はたして誰が、どのようなところで介護されるのか? 不安を感じるようになる。
 
観客は、私のような年寄りや、介護施設に勤めておられる方、これからヘルパーになろうか、といったような方たちが大勢来られていたと思う。
観ている者も、介護について学べることがあっただろう。劇の中で「こんなことを学びます」といったような、授業風景がかなりあったので、私たちも生徒のような気分になる。()

余談になるが、音楽劇というのは、難しいと思った。ナマの演奏ではないので、大抵の場合は音楽が大きく聞こえ過ぎる。歌の歌詞が聞きにくい。ホールの作りも完璧ではない。音楽を楽しむという目的ではなかったので、文句は言うつもりはないが、せっかく一生懸命に歌っている役者さんが気の毒に思った。

2 件のコメント:

  1. ごまめさん、あれこれ、あちらこちら、お忙しいですね。動けるという事はほんとに素晴らしい事です。

    仰る通り今のヘルパーさんは本当に使いにくい制度です。ヘルパーさんを使って在宅で、と言いますが、重度の方は無理ですね。近いうちに制度は変わるらしいですが、今度はどうなるでしょう。ヘルパーと言う職種がなくなるんです。

    私のいたケアハウスは介護が付いてないので、矢張りヘルパーさんをお願いしていたのですが、もう、それでは間に合わなくなって退去しました。今、娘が介護休暇を取っています。お国の財政から言うと、間尺に合わないと思うんですけどね。お役人さんの考える事はよく分からないです。


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    1. 皆さん、重度になってからが、困るのですが、どうも家での介護は、一部、恵まれた方しかできそうにないですね。
      介護休暇が取れない方もいますし、入浴など、重度になったら、家では無理ですものね。

      ヘルパー制度がなくなったら、その代わりは、どうなるのかしらねえ。名前が変わるだけかしら。

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