2012年3月10日土曜日

検便

昨日、中国の野菜のことを書いたのだが、それで思い出したことがある。
今は「検便」というと、大腸がんの検診ということになるのだが、昔は、「検便」とは、回虫の卵の有無の検査をするということだった。
日本だって、人糞を畑に撒いていたし、お腹の中に、回虫を養っていた人は、大勢いたので、検便は、学校行事の一つだった。

当時は、学校の養護教諭が、全校生徒の便を、顕微鏡で調べていた。その結果、お腹の中に回虫がいるということになると、虫下しを飲ませる。

子ども達は、小さなマッチ箱の中に、適量のウンチを入れてくることを、担任教師から何度も念を押される。必要以上に大量の便を詰め込んできて、鼻つまみになる子や、とんと忘れてしまう子が必ずいるからだ。

その日も、隣の一年生の教室から、「マッチ箱の中に、ウンチをソラマメくらい入れてきなさい。ソラマメよ」と言う先生の声が繰り返し聞こえてきた。
当時のマッチ箱は、深さもあって、ちょうどいい入れ物だった。

次の日、そのクラスのB子は、マッチ箱の中に、ソラマメをびっしり詰め込んできたものだから、養護の先生は、開けてびっくり。ひーひー笑いながら教室に駆け込んできたのはもちろんである。

ついでに言うと、私のクラスのC子は、検査結果が陽性なので、薬を飲むことになった。その日、自分の番がくると、突然泣きだした。ウンチはお父さんのものと言う。養護の先生は、「お父さんが陽性なら、あんたも陽性じゃ」ということで、彼女は薬を飲まされた。ま、犬のウンチを持ってきて、ヘンな菌がいると大騒ぎさせたという方よりはマシだろう。

朝、ウンチが出ないといって、泣き出しそうな娘をみて、「ほな、ちょっと待っとれ。お父さんのを持って行け」と言いながら、トイレで頑張ったお父さん。それを恐る恐る持参したC子。想像するだけで笑ってしまう。

余談になるが、【トイレでしゃがんでいると、中学生の弟がノックし、「少しでいいからウンコ分けてくれないか」と頼まれたことがある。】と、ある作家が随筆の中に書いていたのを思い出した。この手の話は、どこにもあるようだが、それにしても何ともおかしい。


4 件のコメント:

  1. またまたおなかの皮がよじれました。子供っていいなあ。

     話変わって、大腸癌検査の方の検便ですが、以前、トウチャンガご近所さんに、検便の容器をお配りしたことがあります。
    女性の方は全員、検査に出してくれましたが(中に一人「センセイにウンコ見られるなんて・・・」と恥ずかしそうに身をよじったオバアサンがおられました)男性は全員、「悪いとこない」とか「もう検査した」とか言って検査を拒否されました。
    男性の方が恐がりなんでしょうか。

    でも、わがトウチャンはその検査のお陰で、大腸癌が見つかり
    手術を受けて治りました。
    わが家では、検便は神様です。

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    1. お六さまの旦那さま、ほんとによかったですね。
      私も一度検便でひっかかって、大腸内の検査をして、何事もなかったのですが、二度と検査は受けたくないと思いましたねえ。

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  2. そうでしたね、マッチ箱でした。小学生のころのことを思い出しました。カイニンソウというやっかいな飲み物もありました。

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    1. そうです。カイニンソウは、とても飲みにくい虫下しでしたね。
      大きなお釜で、煮出していました。子供たちは、鼻をつまんで飲んでいましたよ。

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